47 類
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第 47 類
木材パルプ、繊維素繊維を原料とするその他のパルプ及び古紙
注
1 第47.02 項において「化学木材パルプ(溶解用のものに限る。)」とは、水酸化ナトリウムを
18%含有するかせいソーダ溶液に温度20 度で1時間浸せきした後の不溶解性部分の重量が、ソ
ーダパルプ及び硫酸塩パルプ(クラフトパルプ)にあっては全重量の92%以上、亜硫酸パルプ
(サルファイトパルプ)にあっては全重量の88%以上の化学木材パルプをいう。ただし、亜硫
酸パルプ(サルファイトパルプ)については、灰分の含有量が全重量の0.15%以下のものに限
る。
総 説
この類のパルプは、主として各種の植物材料又は植物性紡織用繊維のくずから得られる繊維素
繊維から成っている。
国際貿易上最も重要なパルプは木材パルプで、その調製法により機械木材パルプ、化学木材パ
ルプ、セミケミカルパルプ又はケミグランドパルプと呼ばれる。主に使用される木材は、まつ、
とうひ、ポプラ及びヤマナラシであるが、ビーチ、くり、ユーカリ及びある種の熱帯産木材等の
堅い木材も使用される。
パルプ製造に使用されるその他の材料として次のものを含む。
(1)コットンリンター
(2)古紙
(3)ぼろ(特に綿、リネン又は麻)その他の紡織用繊維のくず(古ロープ等)
(4)わら、エスパルト、亜麻、ラミー、黄麻、麻、サイザル麻、バガス、竹、種々のその他の
草及びあし
木材パルプはかっ色か白色で、薬品で半さらしにし若しくはさらしてあるか又はさらしてない
ものもある。パルプは、製造後、その白色度(輝度)を増すために何らかの処置が施されている
ならば、半さらしのもの及びさらしたものとみなされる。
製紙工業の用途のほか、ある種のパルプ(特にさらしたパルプ)は、人造紡織用繊維材料、プ
ラスチック、ワニス及び爆薬等の各種の物品の製造においてセルロース原料として使用される。
また、これらは家畜の飼料にも使用される。
パルプは、通常、梱包されたシート(穴があいているかいないかを問わない。)状で湿った状態
又は乾燥した状態で提示される。ただし、時にはスラブ状、ロール状、粉末状又はフレーク状の
場合もある。
この類には、次の物品を含まない。
(a)コットンリンター(14.04)
(b)凝集してないポリエチレン又はポリプロピレンの繊維(原繊維(fibrils))のシートから
成る合成した製紙用パルプ(39.20)
(c)繊維板(44.11)
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(d)製紙用パルプ製のフィルターブロック、フィルタースラブ及びフィルタープレート(48.12)
(e)製紙用パルプ製のその他の製品(48 類)
47.01 機械木材パルプ
機械木材パルプは、単に機械処理、すなわち、樹皮及び時には節を除去した木材を離解し又は
摩砕することによってのみ得られるものであり、水流のもとで機械的な粉砕によって繊維状にな
っている。
前もって蒸気処理を施さないで粉砕したものは、いわゆる「ホワイト」機械木材パルプとなり、
その繊維は破壊されやすく、かつ、弱い。木材を摩砕の前に蒸気処理すると、かっ色で強い繊維
のものが得られる(かっ色機械木材パルプ)。
従来の摩砕法を更に発展させたものは、リファイナー砕木パルプと呼ばれるパルプであり、木
材チップは、接近した間隔の溝を有する2枚の板(これらの1枚又は両方が回転している。)の間
にチップを通過させることによってディスクリファイナーで細断される。このタイプのパルプの
優れた等級の一つは、木材チップを柔らかくし、繊維の損傷が少なくて繊維を容易に分離するこ
とができるように予備的に熱処理を行った後、それを精砕することによって製造されるものであ
る。その結果できるパルプの品質は、従来の機械木材パルプに比べて優れたものとなっている。
機械木材パルプの主なタイプには、次のものがある。
砕木パルプ(SGW):大気圧のもとで石材製砕木機を使用して丸材又はブロックから製造した
もの
加圧式砕木パルプ(PGW):加圧式石材製砕木機を使用して丸材又はブロックから製造したも
の
リファイナー砕木パルプ(RPM):大気圧のもとで吐出しながらリファイナーを使用して木材
のチップ又は薄片から製造したもの
サーモメカニカルパルプ(TMR):木材を高圧蒸気むしした後、リファイナーを使用して木材
のチップ又は薄片から製造したもの
リファイナーで製造されたある種のパルプは、化学処理されていることがあるので注意をする
必要がある。このようなパルプは47.05 項に属する。
機械木材パルプは、繊維が比較的短く、かつ、弱い物品が得られるため、一般に単独で使用さ
れることはない。製紙工程において、しばしば、化学パルプが混合される。新聞用紙は、通常、
このような混合物から製造されている(48 類注4参照)。
47.02 化学木材パルプ(溶解用のものに限る。)
この項には、この類の注1に規定する溶解用の化学木材パルプのみを含む。このパルプは目的
とする用途の要求に合致するように特別に精製される。これらのものは、再生セルロース、セル
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ロースエーテル、セルロースエステル及びこれらの材料の物品、例えば、板、シート、フィルム、
はく、ストリップ、紡織用繊維及びある種の紙等(感光紙、フィルターペーパー及び硫酸紙のベ
ースとして使用される種類の紙等)の製造に使用される。また、最終用途や最終物品によってビ
スコースパルプ、アセテートパルプ等とも呼ばれる。
化学木材パルプは、木材を最初チップ又は小片状にした後、薬品で処理することによって得ら
れる。この処理の結果、大部分のリグニンその他の非繊維素物質が除去される。
通常使用される薬品には、水酸化ナトリウム(ソーダ法)、水酸化ナトリウムと硫酸ナトリウム
の混合物で一部が硫化ナトリウムに変換しているもの(硫酸塩法)、重亜硫酸カルシウム又は重亜
硫酸マグネシウム(亜硫酸水素カルシウム又は亜硫酸水素マグネシウムとして知られている。)
(亜
硫酸塩法)がある。
得られた物品は、同じ原材料から製造された機械パルプに比較して繊維が長く、かつ、セルロ
ースの含有量が多い。
化学木材パルプ(溶解用のものに限る。)は、広汎な化学反応及び物理化学反応によって製造さ
れる。化学木材パルプの製造には、白色化の他に化学的精製、脱樹脂、解重合、灰分の減少又は
反応性の調製を必要とすることがある。これらの大部分は、複合漂白と精製工程とを組み合わせ
たものである。
47.03 化学木材パルプ(ソーダパルプ及び硫酸塩パルプ(クラフトパルプ)に限るものとし、溶
解用のものを除く。)
-さらしてないもの
4703.11--針葉樹のもの
4703.19--針葉樹以外のもの
-半さらしのもの及びさらしたもの
4703.21--針葉樹のもの
4703.29--針葉樹以外のもの
ソーダパルプ及び硫酸塩パルプは、通常チップ状の木材を強アルカリ溶液中で煮沸して製造す
る。ソーダパルプの場合、溶解液は水酸化ナトリウム溶液であり、また硫酸塩パルプの場合は変
色した水酸化ナトリウムが使用される。「硫酸塩」という用語は、硫酸ナトリウム(その一部が硫
化ナトリウムに変換されている。)が蒸解液の調製段階で使用されることに由来する。硫酸塩パル
プは、最も重要なものである。
これらの工程を経たパルプは、高度の引裂き強さ、引張強さ又は破裂強さを必要とする紙及び
板紙用のみならず、吸収性の物品(例えば、綿毛状物品又はナプキン(おむつ))の製造にも使用
される。
47.04 化学木材パルプ(亜硫酸パルプ(サルファイトパルプ)に限るものとし、溶解用のものを
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除く。)
-さらしてないもの
4704.11--針葉樹のもの
4704.19--針葉樹以外のもの
-半さらしのもの及びさらしたもの
4704.21--針葉樹のもの
4704.29--針葉樹以外のもの
サルファイト法は、一般に酸性溶液を使用し、種々の「亜硫酸塩」化合物(例えば、重亜硫酸
カルシウム(亜硫酸水素カルシウム)、重亜硫酸マグネシウム(亜硫酸水素マグネシウム)、重亜
硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、重亜硫酸アンモニウム(亜硫酸水素アンモニウム)等)
が、溶解液の調製の過程で使用される(47.02 項の解説参照)のでこの名前が付けられた。この
溶液は、遊離した二酸化硫黄を含んでいる。サルファイト法は、とうひ属の繊維の処理に広く使
用される。
サルファイトパルプは、単独か他のパルプを混合して各種の筆記用紙、印刷用紙等に使用され
る。また、サルファイトパルプは、耐脂紙や透明の光沢紙にも使用される。
47.05 機械的及び化学的パルプ工程の組み合わせにより製造した木材パルプ
この項には、機械的なパルプ工程と化学的なパルプ工程との組み合わせで製造される木材パル
プを含む。この様なパルプは、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプ等いろいろな名で呼ば
れている。
セミケミカルパルプは、二つの工程、すなわち木材(通常はチップ)を最初に蒸解がまで化学
的に柔らかくし、次に機械的に精砕することによって製造される。このパルプは、不純物やリグ
ニン質を多量に含んでおり、主に中質の紙に使用される。これは、一般に中性亜硫酸塩セミケミ
カル(NSSC)、重亜硫酸塩セミケミカル又はクラフトセミケミカルとして知られている。
ケミグランドパルプは、チップ、削りくず、鋸くずその他これらに類する形状の木材をリファ
イナーにかけて製造する。木材は、2枚の接近した隆起を有する板又はディスク(これらの1枚
又は両方が回転する。)により生じた研磨作用によって繊維状になる。少量の化学物質は、繊維の
分離を容易にするため前処理として加えられるか又は精砕中に加えられる。木材は、異なる圧力
や温度で、時間間隔を変えて蒸気むしを行うことがある。ケミグランドパルプは、その製造に使
用された工程の組み合わせ及びその工程が実施された順序によって、ケミサーモメカニカルパル
プ(CTMP)、ケミリファイナーメカニカルパルプ(CRMP)、サーモケミメカニカルパルプ(TCMP)
と呼ばれる。
ケミグランドパルプは新聞用紙の製造において使用される(48 類の注4参照)。これらは、ま
た、ティッシュ及びグラフィックペーパーの製造にも使用される。
この項には、スクリーン粕と呼ばれるパルプを含む。
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47.06 古紙パルプ及びその他の繊維素繊維を原料とするパルプ
4706.10-コットンリンターパルプ
4706.20-古紙パルプ
4706.30-その他のもの(竹製のものに限る。)
-その他のもの
4706.91--機械パルプ
4706.92--化学パルプ
4706.93--機械的及び化学的工程の組合せにより製造したもの
パルプ製造に使用される重要な繊維素繊維原料(木材を除く。)は、総説に記載されている。
古紙パルプは、通常、乾燥し、梱包されたシート状で提示され、異種の繊維素繊維の混合物か
ら成っており、漂白されているものと漂白されていないものがある。このパルプは洗浄、スクリ
ーニング及び脱インキの一連の機械工程及び化学工程によって得られる。投入原料や工程の程度
により、インキ、粘土、でん粉、重合体コーティング剤及び糊等残留物が少量含まれる場合があ
る。
この項のパルプは、古紙パルプを除き、機械工程、化学工程又はこれらの工程の組み合わせに
よって得られる。
47.07 古紙
4707.10-さらしてないクラフト紙又はクラフト板紙及びコルゲート加工をした紙又は板紙
4707.20-その他の紙又は板紙(主としてさらした化学パルプから製造したものに限るものとし、
全体を着色したものを除く。)
4707.30-主として機械パルプから製造した紙又は板紙(例えば、新聞、雑紙その他これらに類す
る印刷物)
4707.90-その他のもの(区分けしてない古紙を含む。)
この項に含まれる古紙には、切りくず、裁断、端切、選別漏れ裂け紙、古新聞、古雑誌、校正
印その他の印刷業の廃棄物及びこれらに類するものが含まれる。
この項には、また紙又は板紙の製品のくずを含む。
これらの古紙は通常パルプ化に使用され、時には、圧搾した梱で提示される。ただし、他の目
的(例えば、包装)に使用できるものであっても、この項から除外されないことに注意をする必
要がある。
なお、ペーパーウールは古紙から作ったものであっても、この項から除外される(48.23)。
また、この項には、主として貴金属の回収に使用される種類の貴金属及び貴金属の化合物を含む
古紙(例えば、銀又は銀化合物を含む写真用の古紙)を含まない(71.12)。
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号の解説
4707.10、4707.20、及び4707.30
原則として4707.10 号、4707.20 号及び4707.30 号には区分けした古紙を含むが、これらの号
の所属の決定は、47.07 項の他の号の紙又は板紙が少量存在していても影響を受けない。