第75類 関税率表解説

出典:税関Webサイト
75 類 1 第 75 類 ニッケル及びその製品 号注 1 この類において次の用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。 (a)「ニッケル(合金を除く。)」とは、ニッケル及びコバルトの含有量の合計が全重量の 99% 以上の金属で次のいずれの要件も満たすものをいう。 (ⅰ)コバルトの含有量が全重量の1.5%以下であること。 (ⅱ)ニッケル及びコバルト以外の元素の含有量が全重量に対してそれぞれ次の表に掲げる限 度を超えないこと。 元 素 全重量に対する限度(%) 鉄(Fe) 酸素(O) その他の各元素 0.5 0.4 0.3 (b)「ニッケル合金」とは、含有する元素のうちニッケルの重量が最大の金属で次のいずれかの ものをいう。 (ⅰ)コバルトの含有量が全重量の1.5%を超えるもの (ⅱ)ニッケル及びコバルト以外の元素の少なくとも一の含有量が全重量に対してそれぞれ (a)の表に掲げる限度を超えるもの (ⅲ)ニッケル及びコバルト以外の元素の含有量の合計が全重量の1%を超えるもの 2 第7508.10 号において線には、15 部の注9(c)の規定にかかわらず、横断面の最大寸法が 6ミリメートル以下のもの(横断面の形状及び巻いてあるかないかを問わない。)のみを含む。 総 説 この類には、ニッケル、ニッケル合金及びこれらのある種の製品を含む。 ニッケルは、比較的硬く、温度 1,453 度で融解する灰白色の金属である。強磁性を有し、可鍛 性及び延性があり、また、耐食性及び耐酸化性がある。 * * ニッケルは、主として合金鋼その他の合金の製造用、通常、電着法による他の金属の被覆用、 化学反応における触媒として使用される。純ニッケルの塊は、化学工業設備の製造に広く使用さ れる。更にニッケル及びその合金は、貨幣の製造に使用される。 * * この類に該当する主なニッケル合金には、15 部の注5の規定に基づき次のものを含む。 (1)ニッケル・鉄合金:これらは、その高透磁率性及び低ヒステリシス性のため、海底ケーブ ル、誘導コイル心、磁気しゃへい等に使用されるものがある。 (2)ニッケル・クロム合金又はニッケル・クロム・鉄合金:この種の合金には、十分な強度を
75 類 2 有し、かつ、高温での酸化、スケールの発生及び種々の腐食に対してすぐれた抵抗性を有す るので、各種の商品がある。これらは、電気抵抗型加熱機器の発熱体に使用され、また、鉄 鋼その他の金属の熱処理に使用するマッフル及びレトルトの構成物品その他の物品又は高温 化学(又は石油化学)処理用の管として利用される。更に、この種の合金には、超合金(super alloy)として知られているものがある。これは、航空機のタービン用に特別に開発された合 金で高温強度が大きく、タービン翼、燃焼室のライナー、transition section 等に使用され るものである。これらの合金は、しばしばニッケルベースの合金の強度を著しく改善するの に有効なモリブデン、タングステン、ニオブ、アルミニウム、チタン等を含有している。 (3)ニッケル・銅合金:これは、耐食性のほか、強度もよいので、プロペラ軸及びファスナー 等に使用され、また、ある種の無機酸、有機酸、アルカリ、塩類等を取り扱う機器のポンプ、 弁、配管その他の部分に使用される。 * * この類には、次の物品を含む。 (A)ニッケルのマット、焼結した酸化ニッケルその他ニッケル製錬の中間生産物、塊及びくず (75.01 から75.03 まで) (B)ニッケルの粉及びフレーク(75.04) (C)75.02 項の塊を圧延、鍛造、引抜き又は押出すことにより通常得られる物品(75.05 及び 75.06) (D)管及び管用継手(75.07)並びに電気めっき用のニッケル陽極その他75.08 項に含まれる全 てのニッケル製品(15 部の注1に規定する物品、82 類若しくは83 類に属する物品又はこの 表の他の項においてより特殊な限定をして記載されている物品を除く。) * * ニッケルの物品及び製品には、金属の性質及び外観を改善するために各種の処理が施されるこ とがある。これらの処理は、通常72 類の総説の末尾に記載されているものであり、物品の所属に は影響を与えない(ただし、電気めっき用の陽極に施される特別な処理については、75.08 項参 照)。 * * 他の物品と結合した物品の所属については、15 部の総説に解説されている。 75.01 ニッケルのマット、焼結した酸化ニッケルその他ニッケル製錬の中間生産物 7501.10-ニッケルのマット 7501.20-焼結した酸化ニッケルその他ニッケル製錬の中間生産物 (1)ニッケルのマット
75 類 3 マットは、ニッケル鉱のばい焼、溶融等により処理して得られ、使用された金属鉱又は製 法により、ニッケル・鉄・硫黄系、ニッケル・鉄・銅・硫黄系、ニッケル・硫黄系又はニッ ケル・銅・硫黄系の組成を有する硫化物である。 マットは、通常ブロック又はスラブの形状に鋳造したもの(包装又は輸送の便宜のため小 片に破砕されることが多い。)、粒又は粉(特にある種の硫化ニッケルの場合)の形状になっ ている。 これらのマットは、ニッケルの塊の製造に使用される。 (2)ニッケル製錬のその他の中間生産物 これらには、次の物品を含む。 (ⅰ)不純物を含む酸化ニッケル(例えば、焼結した酸化ニッケル、粉状の酸化ニッケル(い わゆる“green nickel oxide”):これは、硫鉄ニッケル鉱又は酸化鉱を処理して得られ、 主として合金鋼の製造に使用される。 焼結した酸化ニッケルは、通常、粉状又は50 ミリメートル以下のランプ状のものである。 (ⅱ)不純物を含むフェロニッケル:これは、硫黄(0.5%以上)、りんその他の不純物を相当 量含有しているため、事前に精製しなければ鉄鋼業において合金元素として使用すること ができないものである。精製されたフェロニッケルは、専ら鉄鋼業において、ある種の特 殊鋼の製造に必要なニッケル源として使用される。従って、精製されたフェロニッケルは、 72 類の注1(c)の規定に該当する限り、72.02 項のフェロアロイとして分類する。 (ⅲ)ニッケルスパイス:これは、例えば、砒(ひ)化物の混合物でランプ状のものがある。 今日では、商業上あまり重要ではない。 75.02 ニッケルの塊 7502.10-ニッケル(合金を除く。) 7502.20-ニッケル合金 ニッケルの塊は、通常、インゴット、なまこ形、ペレット、フラット、キューブ、ロンデル(円 筒形)、ブリケット、ショット、陰極又はその他の電解精製用の形状である。これら一次形状の物 品は、主に添加物として合金鋼、非鉄金属の合金又はある種の化学品の製造用に供される。ある 種の形状の物品は、チタン製バスケットに入れて電気めっき用又はニッケル粉の製造用に供され る。 精製されていないニッケルは、通常、電解精製用陽極に鋳造される。この項の陽極は、普通、 電解精製用タンクにつり下げるための2個のラグを有するスラブの形状に鋳造される。本品と 75.08 項の解説に記載されている電気めっき用の陽極とを混同してはならない。 陰極は、電解精製用タンクに2個のニッケル製ループによりつり下げられた精製ニッケル製の 「種板(starting sheets)」上に電解析出により得られる板である。析出し、精製されたニッケ ルが沈着するに従い、種板は陰極の一部を構成し、かつ、不可分のものとなる。 トリミングしていない陰極は、通常ループを除去することなしに船積みされる。この場合ルー
75 類 4 プが接合された部分はしばしば析出したニッケルの多くが付着しているが、電気めっき用の陽極 に取り付けられたつり下げ用のフックと混同してはならない。トリミングしてない陰極は、シー ト状の電気めっき用の陽極(幅が 30.5 センチメートルを超えるものは、まれである。)よりも大 きい寸法(約96×71×1.25 センチメートル)のものである。 単にトリミングし又はシート、ストリップ若しくは長方形の小片に切断した陰極は、その寸法 及びその用途のいかんを問わず、この項に属する。これらは、つり下げ用のフックを取り付けて ないこと又はフックを取り付けるように調製(例えば、穴あけ又はねじ切り)がされていないこ とにより、75.08 項の電気めっき用のニッケル陽極と区別される。 この項には、また、ニッケルの粉及びフレークを含まない(75.04)。 75.03 ニッケルのくず 72.04 項の解説のくずに関する規定は、この項において準用する。 この項には、次の物品を含まない。 (a)ニッケル製造の際に生ずるスラグ、灰及び残留物(26.20) (b)ニッケルのくずを再溶解して鋳造したインゴット及びこれに類する塊(75.02) 75.04 ニッケルの粉及びフレーク この項には、あらゆる種類のニッケルの粉及びフレークを含む(その用途は問わない。)。粉に ついては、15 部の注8(b)に規定されている。 粉及びフレークは、その物理的特徴により、合金でない状態で、ニッケル・カドミウム蓄電池 のプレート用、硫酸ニッケル、塩化ニッケルその他のニッケル塩の製造用、金属炭化物の結合剤 用、ニッケル合金(例えば、合金鋼)の製造用又は触媒用に供される。 これらは、また、純粋な状態、合金又は他の金属粉(例えば、鉄粉)との混合物の状態で、磁 石のような工業製品に成形し焼結するか又は板、帯若しくははくに直接圧延するために使用され る。 この項には、焼結した酸化ニッケルを含まない(75.01)。 75.05 ニッケルの棒、形材及び線 -棒及び形材 7505.11--ニッケル(合金を除く。)のもの 7505.12--ニッケル合金のもの -線
75 類 5 7505.21--ニッケル(合金を除く。)のもの 7505.22--ニッケル合金のもの 15 部の注9(a)、(b)及び(c)に規定されているこれらの物品は、電気めっき用の陽極の 特別の規定(75.08 項の解説参照)を除き、銅製の類似の物品に相当する。従って、74.07 項及び 74.08 項の解説の規定は、この例外を除き、この項において準用する。 この項には、次の物品を含まない。 (a)金属を交えた糸(56.05) (b)棒又は形材で、構造物用に加工したもの(75.08) (c)電気絶縁をした棒(通常、母線(busbars)として知られているもの)及び線(エナメル塗 装をした線を含む。)(85.44) 75.06 ニッケルの板、シート、ストリップ及びはく 7506.10-ニッケル(合金を除く。)のもの 7506.20-ニッケル合金のもの この項には、15 部の注9(d)に規定する板、シート、ストリップ及びはくを含む。これらの 物品は、74.09 項及び74.10 項の解説に記載された銅製の物品に相当する。 板及びシートは、溶接、圧延等による鉄鋼とのクラッドに、また、特に化学工業用の装置の建 設に使用される。 この項には、エキスパンデッドメタルを含まない(75.08)。 75.07 ニッケル製の管及び管用継手(例えば、カップリング、エルボー及びスリーブ) -管 7507.11--ニッケル(合金を除く。)のもの 7507.12--ニッケル合金のもの 7507.20-管用継手 15 部の注9(e)は、管について規定している。 73.04 項から73.07 項までの解説の規定は、この項において準用する。 ニッケル製又はその合金製の管及び管用継手は、酸、蒸気等に対する耐食性があるため、化学 工業、食品工業、製紙工業等の装置、復水器、皮下注射針等の製造に使用される。 この項には、次の物品を含まない。 (a)中空形材(75.05)
75 類 6 (b)管等を接続し又は組み立てるのに使用するニッケル製のボルト及びナット(75.08) (c)コック、弁等を取り付けた管用継手(84.81) (d)機械類の部分品(16 部)等として特定の物品に作られた管及び管用継手 75.08 その他のニッケル製品 7508.10-ワイヤクロス、ワイヤグリル及び網(ニッケルの線から製造したものに限る。) 7508.90-その他のもの (A)電気めっき用のニッケル陽極(電気分解により製造したものを含む。) ここには、電着による電気めっき用の精製ニッケル陽極を含む。これは、鋳造、圧延、引抜き 若しくは押出しにより又は75.02 項の陰極その他の電解精製用の形状から製造される。 この項の陽極は、次のいずれかのものである。 (1)めっきされる物品に適する最大の陽極面を与える特定の形状(星形、リング、特殊の形状) を有するもの又は陽極として使用するのに適当な長さの棒状のもの(通常、横断面が卵形、 だ円形、菱形又はダイヤ形である。) (2)板(平面状又は曲面状のもの)、ストリップ、シート、ディスク(平面状又は波形状のもの)、 半球又は球状のもの。これらの物品が、この項に属するためには電気めっき用の陽極として 確認できる外観を有していなければならない。すなわち、電気めっき用のタンクにつり下げ るためのフックの取り付け又はフックを取り付けるための調製(例えば、ねじ切り、穴あけ) がなされていなければならない。 これらの陽極は、通常高純度のものである。しかしある種の少量の元素を製錬の際残留させ又 は意図的に添加したものもある。これは、例えば、陽極の全表面から均一に溶出させ、かつ、ス ラッジの発生によるニッケルの損失をさけるため陽極の分極を減少させることを目的としたもの である。これらの特徴は、上記に記載した特徴的な外観とともに、電気めっき用陽極と 75.02 項 の解説の第2パラグラフに記載するこの項に含まれない電解製錬用の鋳造した陽極(75.02)とを 区別するものである。 しかしながら、これらニッケルめっき用の従来の陽極は、バスケットアノード、すなわち、チ タン製バスケットに入れられた、ニッケルロンデルのような塊(75.02 項の解説参照)にますま すとって代わられている。 この項には、次の物品を含まない(ニッケルめっきに使用するかしないか又は電気めっき用の 陽極に改造するものであるかないかを問わない。)。 (a)単に電解により得られたプレート(陰極。トリミングしてあるかないか又はストリップ若 しくは長方形に切ってあるかないかを問わないものとし、更に加工をしてないものに限る。) (75.02) (b)ペレット状の塊(75.02) (c)単に鋳造、圧延又は押出しにより製造した棒(上記の形状、長さ及び加工の要件に該当し ないものに限る。)(75.02 又は75.05)
75 類 7 (d)単に圧延した板(75.06) (B)その他 このグループには、すべてのニッケル製品(前記のグループに掲げる物品、この類の前項まで に掲げる物品、15 部の注1に規定する物品、82 類若しくは83 類の物品及びこの表の他の項にお いてより特殊な限定をして記載されている物品を除く。)を含む。 このグループには、次の物品を含む。 (1)窓枠、構造物用に加工した部分品等の構造物 (2)貯蔵タンクその他これらに類する容器(容量を問わないものとし、機械装置又は加熱用若 しくは冷却用の装置を有するものを除く。) (3)ワイヤクロス、ワイヤグリル及び網(ニッケルの線を使用して製造したものに限る。)並び にニッケル製のエキスパンデッドメタル (4)ニッケル製のくぎ、びょう、ナット、ボルト、ねじその他73.17 項又は73.18 項の解説に 記載された各種のその他の物品 (5)ばね(91.14 項の時計用ばねを除く。) (6)家庭用品、衛生用品及びこれらの部分品 (7)縁が盛り上がったニッケル円盤状の貨幣のブランク (8)73.25 項及び73.26 項の解説の鉄鋼製品に相当するニッケル製品