81 類
1
第 81 類
その他の卑金属及びサーメット並びにこれらの製品
総 説
この類は、次に記載する卑金属、その合金及びこれらの製品(この表の他の類においてより特
殊な限定をして記載されている物品を除く。)に限る。
(A)タングステン(81.01)、モリブデン(81.02)、タンタル(81.03)、マグネシウム(81.04)、
コバルト(コバルトのマットその他コバルト製錬の中間生産物を含む。)(81.05)、ビスマス
(81.06)、チタン(81.08)、ジルコニウム(81.09)、アンチモン(81.10)及びマンガン(81.11)
(B)ベリリウム、クロム、ハフニウム、レニウム、タリウム、カドミウム、ゲルマニウム、バ
ナジウム、ガリウム、インジウム及びニオブ(81.12)
この類には、また、サーメットを含む(81.13)。
この類又は15 部中の前の類のいずれにも含まれない卑金属は、28 類に属する。
この類に含まれる大部分の卑金属は、純粋な状態よりはむしろ主として合金又は炭化物として
使用される。当該合金の所属については、15 部の注5の規定に従う。金属炭化物は、この類には
属しない。
*
* *
他の物品と結合した物品(特に製品に作り上げられたもの)の所属については、15 部の総説に
解説されている。
「くず」及び「粉」については、15 部の注8に規定がある。
81.01 タングステン及びその製品(くずを含む。)
8101.10-粉
-その他のもの
8101.94--タングステンの塊(単に焼結して得た棒を含む。)
8101.96--線
8101.97--くず
8101.99--その他のもの
タングステンは、鉄マンガン重石(鉄・マンガン・タングステン酸塩)及び灰重石(タングス
テン酸カルシウム)から得られる。鉱石はまず酸化物とし、電気炉で水素により又はるつぼでア
ルミニウム又は炭素により高温下で還元する。このようにして得られた粉状タングステンは、ブ
ロック状又はバー状に加圧成形し、これを電気炉において水素のもとで、焼結する。コンパクト
に焼結された棒は、機械的に槌打鍛造され、最終的に圧延又は引抜きにより、板、小さな断面の
棒又は線にされる。タングステンは、密な鋼灰色の金属で融点が高い。もろいが硬く、また、耐
食性も高い。
タングステンは、照明用電球又はラジオ用真空管のフィラメント、電気炉用品、X線管の対陰
81 類
2
極、電気接点、電気計測器若しくは時計の非磁性ばね、望遠鏡用のレンズのヘヤライン又は水素
アーク溶接用の電極に使用される。
しかし、タングステンの最も重要な用途(通常フェロタングステンとして使用する。72 類参照)
は、特殊鋼の製造である。タングステンは、また、炭化タングステンの製造に使用される。
*
* *
15 部の注5により、この類に該当する主要なタングステン合金は、焼結により造られるが、こ
れには次の物品を含む。
(1)タングステン・銅合金(例えば、電気接点用)
(2)タングステン・ニッケル・銅合金は、エックス線防護用、ある種の航空機用部分品等の製
造に使用される。
*
* *
この項に含まれるタングステンは、次の形状のいずれかである。
(A)粉
(B)塊(例えば、ブロック、インゴット、焼結した棒)及びくず(くずについては72.04 項の
解説参照)
(C)加工した金属(例えば、圧延又は引抜きにより製造した棒、形材、板、シート、ストリッ
プ及び線)
(D)製品(15 部の注1に規定する物品、82 類若しくは83 類に該当する物品及びこの表の他の
項においてより特殊な限定をして記載されている物品を除く。):大部分のタングステン製品
は、ばねを除き、実際16 部又は17 部に属する。例えば、完成された電気接点は、85 類に属
する。しかしながら、電気接点を製造するために使用されるタングステンの板はこの項に属
する。
この項には、炭化タングステン(例えば、切削工具又はダイスの作用する刃の製造に使用する
もの)を含まない。炭化タングステンの所属は次のとおりである。
(a)混合してない粉(28.49)
(b)調製してあるが焼結してない混合物(例えば、モリブデン炭化物又はタンタル炭化物と混
合したもの(結合材の有無を問わない。)(38.24)
(c)工具用の板、棒、チップその他これらに類する物品(焼結したもので支持物に取り付けて
ないものに限る。)(82.09)(関連する解説参照)
81.02 モリブデン及びその製品(くずを含む。)
8102.10-粉
-その他のもの
8102.94--モリブデンの塊(単に焼結して得た棒を含む。)
8102.95--棒(単に焼結して得た棒を除く。)、形材、板、シート、ストリップ及びはく
81 類
3
8102.96--線
8102.97--くず
8102.99--その他のもの
モリブデンは、主として輝水鉛鉱(硫化モリブデン)及びモリブデン鉛鉱(モリブデン酸鉛)
から得られる。鉱石を浮遊選鉱により精鉱し、ついで酸化物とした後金属に還元精錬する。
金属は圧延、引抜き等に適するコンパクトな形状(compact form)に又はタングステンと同様
に焼結できる粉状に精錬される(81.01 項の解説参照)。
コンパクトな形状のモリブデンは、鉛に類似する外観を有するが、非常に硬く、溶融点も高い。
可鍛性を有し、常温では耐食性を有する。
モリブデンは、(金属又は72 類のフェロモリブデンとして)合金製造に使用される。モリブデ
ン金属は、照明用電球のフィラメントサポート、電子管のグリッド、電気炉用品、整流器又は電
気接点に使用され、また、歯科用品及び光沢を失わないので白金代用品として身辺用細貨類に使
用される。
一般に使用されているモリブデン合金は、モリブデンの含有量が他の金属よりも少ないので、
15 部の注5によりこの項には属しない。
モリブデンの精錬法はタングステンに類似しているので、81.01 項の解説の後半(流通市場に
おける金属の形状及び炭化物の分類に関する部分)は、この項において準用する。
81.03 タンタル及びその製品(くずを含む。)
8103.20-タンタルの塊(単に焼結して得た棒を含む。)及び粉
8103.30-くず
-その他のもの
8103.91--るつぼ
8103.99--その他のもの
タンタルは、主としてタンタル鉱及びニオブ鉱(26.15)から酸化物の還元により、又は溶融ふ
っ化タンタル酸カリウムの電解により抽出する。
これは、コンパクトな金属として又はタングステン若しくはモリブデンと同様に、焼結用の粉
として得られる。
タンタル粉は、黒色であるが、その他の形状のものは研磨すれば白色であり、研磨しないとき
は鋼青色を呈する。純タンタルは、非常に可鍛性及び延性を有し、通常、耐食性(大部分の酸に
対する耐食性を含む。)もある。
タンタルは、炭化物製造、合金鋼の製造(フェロタンタルとして。72 類参照)、電子管のグリ
ッド及び陽極、整流器、るつぼ、熱交換機その他の化学用機器、人造繊維防糸機用の口金
(spinneret)、歯科用又は外科用の器具、外科用の骨定着用物品等又はゲッター(ラジオ用真空
管のガスを除去するもの)製造用に供される。
81 類
4
15 部の注5の規定により、この項に属するタングステン合金には、タンタルの含有量の多いタ
ンタル・タングステン合金(例えば、電子管の製造に使用される。)を含む。
この項には、全てのタンタル、すなわち粉、ブロック、くず、棒、線、フィラメント、シート、
ストリップ、はく、形材、管及びその他の製品(例えば、ばね又はワイヤクロス)(他の項におい
てより特殊な限定をして記載されているものを除く。)を含む。
なお、炭化タンタルの所属については、炭化タングステンのそれに従う(81.01 項の解説参照)。
81.04 マグネシウム及びその製品(くずを含む。)
-マグネシウムの塊
8104.11--マグネシウムの含有量が全重量の99.8%以上のもの
8104.19--その他のもの
8104.20-くず
8104.30-大きさをそろえた削りくず及び粒並びに粉
8104.90-その他のもの
マグネシウムは、各種の原料から抽出する。これらの原料は、ほとんど全てが26 類の金属鉱で
はなく、ドロマイト(25.18)、マグネサイト(25.19)、カーナリット(31.04)等25 類又は31 類
に属するものである。マグネシウムは、また、海水若しくはかん水(25.01)又は塩化マグネシウ
ムを含有するライ(灰汁)からも抽出される。
金属の工業的製法の第1段階では、塩化マグネシウム又は酸化マグネシウム(マグネシア)を、
使用するマグネシウム原料に応じそれぞれの方法で製造する。その後、金属の抽出は、通常、次
の二つの方法のうちのいずれかの方法により行われる。
(A)アルカリの金属の塩化物又はふっ化物等の溶剤と混合した溶融塩化マグネシウムの電気分
解:分離したマグネシウムは、電解槽の陰極の周囲の表面に集められ、塩素は陽極に集まる。
(B)炭素、フェロシリコン、炭化けい素、炭化カルシウム、アルミニウム等によるマグネシア
の熱還元:反応の際の高熱により金属は蒸発するが、これを急冷し、非常に純粋の状態でマ
グネシウムを凝結する。
電解法により得られるマグネシウムは、通常、更に精製する必要がある。熱還元法により得ら
れるマグネシウムは、通常、高純度であるので、精製することなしに溶解してインゴットにする。
*
* *
マグネシウムは、アルミニウムと同様に銀白色であるが、アルミニウムよりも軽い。研磨によ
り非常に強い光沢がでるが、空気にさらすとかなり急激に消滅する。これは酸化皮膜が形成され
るためで、これにより腐食から金属を保護する。マグネシウムの線、シート、ストリップ、はく
及び粉は、せん光を発し、激しく燃焼するので、取扱いに注意する必要がある。
微粉末は、空気と混合すると爆発する危険がある。
*
81 類
5
* *
マグネシウム(合金を除く。)は、多くの化合物の製造、冶金の際(例えば、鉄、銅、ニッケル
の製造及びこれらの合金の製造)の脱酸剤及び脱硫剤として並びに火工品等に使用される。
純粋な金属は、機械的性質が劣るが、他の元素と強い合金を形成して、圧延、鍛造、押出し及
び鋳造を可能にするため、軽金属工業において、多くの工業上の用途が開けている。
*
* *
15 部の注5の規定(15 部の総説参照)により、この類に属する主要なマグネシウム合金には、
次のものを含む。
(1)マグネシウム・アルミニウム合金及びマグネシウム・アルミニウム・亜鉛合金(しばしば
マアンガンを含有する。):これらは、マグネシウムをもととしたエレクトロン(Elektron)
又はダウ(Dow)型の合金である。
(2)マグネシウム・ジルコニウム合金(しばしば亜鉛が添加される。)
(3)マグネシウム・マンガン合金及びマグネシウム・セリウム合金
これらの合金は軽量性、強度、耐食性に優れるので、航空機産業(例えば、エンジンカバー、
車輪、気化器、磁石発電機のベース、ガソリンタンク、油タンク用)、自動車工業、建築業又は機
械の部分品及び附属品(特に、繊維機械用のスピンドル、ボビン、ワインダー等)、加工機械、タ
イプライター、ミシン、チェーンソー、芝刈り機、はしご、若しくは荷役用機器、石版用の板等
の製造に使用される。
*
* *
マグネシウム製の物品の所属は、72 類の総説に記載されているような、金属の性質、外観等を
改善するための処理によっては影響されない。
この項には、次の物品を含む。
(1)マグネシウムの塊:インゴット、切欠きバー、スラブ、スティック、ケーキ、キューブ、
ビレットその他これらに類する形状のもの。これらは、通常、圧延、引抜き、押出し、鍛造
又は成型品の鋳造に使用される。
(2)マグネシウムのくず:72.04 項の解説は、この項において準用する。
ここには、削りくず及び粒で、等級付けされてないもの及び大きさを揃えてないものを含
む。等級付けし又は大きさを揃えた削りくず及び粒は、下記(3)のグループに記述されて
いる。
(3)棒、形材、板、シート、ストリップ、はく、線、管、中空形材、粉及びフレーク並びに大
きさを揃えた削りくず及び粒
ここには、次に掲げるマグネシウムの商慣行上の形状の物品を含む。
(a)上記(1)に掲げる物品の圧延、引抜き、押出し、鍛造等による製品(すなわち、加工
した棒、形材、線、板、シート、ストリップ及びはく)並びに、管及び中空形材(その他
の卑金属の類似物品の項に対応する解説参照):これらの物品は、軽量製及び強靱性が共に
要求される金属に使用される。
81 類
6
(b)大きさを揃えた削りくず及び粒並びにすべての種類の粉及びフレーク:これらは、火工
品(花火、信号用品等)に、また、化学工業又は冶金工業における還元剤として使用され
る。削りくず及び粒は、これらの目的に適するよう特別に作られ等級付けされる。
(4)その他の製品
このグループには、すべてのマグネシウムの製品(上記に含まれる物品、15 部の注1に規
定する物品、82 類若しくは83 類に含まれる物品又はこの表の他の項においてより特殊な限
定をして記載されている物品を除く。)を含む。
マグネシウムは、主として航空機、車両又は機械部分品の製造に使用されるなど(前記参
照)、大部分のマグネシウム製品は、他の項(特に、16 部及び17 部)に属する。
ここに属する製品には、次の物品を含む。
(a)構造物及びその部分品
(b)貯蔵タンクその他これに類する容器(機械装置又は加熱用若しくは冷却用の装置を有す
るものを除く。)並びにたる、ドラム及び缶
(c)ワイヤクロス
(d)ボルト、ナット、ネジ等
この項には、マグネシウム製造の際に生ずるスラグ、灰及び残留物を含まない(26.20)。
*
* *
号の解説
8104.11 及び8104.19
これらの号には、インゴット及び再溶解したマグネシウムのくずを鋳造したこれに類する塊を
含む。
81.05 コバルトのマットその他コバルト製錬の中間生産物並びにコバルト及びその製品(くずを
含む。)
8105.20-コバルトのマットその他コバルト製錬の中間生産物並びにコバルトの塊及び粉
8105.30-くず
8105.90-その他のもの
コバルトは、主としてヘトロジェナイト鉱(コバルトの水酸化物)、硫コバルト鉱(コバルト及
びニッケルの硫化物)及び砒(ひ)コバルト鉱(コバルトの砒(ひ)化物)から得られる。硫化
物及び砒化物を溶融してマット及びその他の中間生産物を製造する。他の金属を除去する処理を
行なって酸化コバルトにし、これを炭素、アルミニウム等で還元する。コバルトは、また、電解
法又は銅、ニッケル、銀等の精製の際に生ずる残留物からの処理によっても抽出される。
コバルトは、銀色を呈し、耐食性があり、ニッケルよりも硬く、非鉄金属のうちで最も磁性を
有する。
コバルトは、純粋な状態で、他の金属の被覆(電着による)、触媒、金属炭化物切削工具製造の
81 類
7
際の結合剤、コバルト・サマリウム磁石又はある種の合金鉱の構成成分等として使用される。
15 部の注5の規定により、この項に含まれる主なコバルト合金には次のものがある。
(1)コバルト・クロム・タングステン系(ステライト系)のもの(しばしば他の元素を少量含
む。):高温における耐磨耗性及び耐食性があるので、弁、弁のシート、工具等の製造に使用
する。
(2)コバルト・鉄・クロム合金:例えば、熱膨張率が低いもの又は強い磁性を示すものがある。
(3)コバルト・クロム・モリブデン合金:ジェットエンジンに使用される。
この項には、コバルト、マットその他コバルト製錬の中間生産物及びあらゆる形状のコバルト
(例えば、インゴット、陰極、粒、粉、くず及び他の項に特掲されない製品)を含む。
81.06 ビスマス及びその製品(くずを含む。)
8106.10-ビスマスの含有量が全重量の99.99%を超えるもの
8106.90-その他のもの
この金属は、天然のままでも産出するが、主として鉛、銅等の精錬の際に生ずる残留物の精製
や硫化鉱又は炭酸塩鉱(例えば、そう鉛鉱及び泡そう鉛)の抽出により得られる。ビスマスは、
赤色がかった色合の白色で、もろく加工は困難であり、伝導率は悪い。化学機器及び医薬用の化
学薬品調製に使用される。易融合金(時には溶融点は100 度以下)を形成し、15 部の注5の規定
により、この項に属する合金には次のものがある。
(1)ビスマス・鉛・すず合金(時にはカドミウム等を含む。)(例えば、Darcet 合金、Lipowitz
合金、Newton 合金及びWood 合金):ろう接、鋳造合金、消化器又はボイラーの可溶性部分品
等に使用される。
(2)ビスマス・インジウム・鉛・すず・カドミウム合金:外科用の型をとるのに使用される。
81.08 チタン及びその製品(くずを含む。)
8108.20-チタンの塊及び粉
8108.30-くず
8108.90-その他のもの
チタンは金紅石、板チタン石又はチタン鉄鉱の還元精錬で製造する。精錬法により、金属は、
コンパクトな形状、焼結用の粉状(タングステンと同様)、フェロチタン(72 類)又は炭化チタ
ンとして製造される。
チタンは、コンパクトなものは白色で光沢を有するが、粉末は暗灰色である。耐食性を有し、
硬く、純度が高いもの以外はもろい。
フェロチタン及びフェロシリコチタン(72 類)は、鉄鋼の製造に使用される。また、金属チタ
ンは、アルミニウム、銅、ニッケル等とも合金を作る。
81 類
8
チタンは、主として、航空機産業、造船業に使用され、また、化学工業用の槽、かくはん器、
熱交換機、弁及びポンプ等の製造用、海水淡水化装置用又は原子力発電所の建設用に供される。
この項には、すべての形状のチタン、特に海綿状、インゴット、粉、陽極板、棒、シート、板
及びくず並びにこの表の他の項に該当しない製品を含む。(他の項に含まれる物品には、へリコプ
ター用回転翼、プロペラのブレード、ポンプ、弁等通常、16 部又は17 部に含まれるものがある。)
炭化物の所属の決定については、炭化タングステンのそれに従う(81.01 項の解説参照)。
81.09 ジルコニウム及びその製品(くずを含む。)
-ジルコニウムの塊及び粉
8109.21--ハフニウムとジルコニウムの重量比が1未満対500 のもの
8109.29--その他のもの
-くず
8109.31--ハフニウムとジルコニウムの重量比が1未満対500 のもの
8109.39--その他のもの
-その他のもの
8109.91--ハフニウムとジルコニウムの重量比が1未満対500 のもの
8109.99--その他のもの
ジルコニウムは、けい酸塩鉱であるジルコンから、酸化物、塩化物等の還元又は電解により得
られる。
これは銀灰色で、可鍛性及び延性を有する金属である。
ジルコニウムは、写真用せん光電球、ラジオ用真空管のゲッター又は吸収剤の製造等に使用さ
れる。フェロジルコニウム(72 類)は鉄鋼の製造に使用される。また、ニッケル等と合金にされ
る。
ジルコニウムは、それ自体又はすずとの合金(zircalloy)の状態で原子炉燃料用カートリッジ
のシース又は原子炉の金属構造物の製造に使用される。ジルコニウム・プルトニウム合金及びジ
ルコニウム・ウラン合金は、核燃料として使用される。原子炉用に使用するためには、第一に、
ハフニウムをほとんど痕跡程度にまで取り除かなければならない。
81.10 アンチモン及びその製品(くずを含む。)
8110.10-アンチモンの塊及び粉
8110.20-くず
8110.90-その他のもの
アンチモンは、主として輝安鉱(硫化鉱)から次の方法で得られる。
(1)選鉱及び溶離により、いわゆる「粗製アンチモン」を得る。これは、実際は粗製硫化物で
81 類
9
26.17 項に属する。
(2)溶融して「シングル」(かわ)として知られている不純物を含有するアンチモンとする。
(3)更に溶融してスターボウル(star bowl)し、これを精製して最も純粋な形状のスターアン
チモン(star antimony)又はフレンチメタル(French metal)になる。
アンチモンは、青味がかった薄い色合の白色の金属光沢を有し、もろく、容易に粉状となる。
非合金の状態では用途は非常に少ないが、合金(特に鉛及びすずとの合金)は硬くなるので、
ベアリング合金、印刷用活字その他の鋳造用合金、ピューター、ブリタニア・メタル等として使
用される(78 類及び80 類参照。これら合金は、鉛又はすずの含有量が多いので、通常、78 類又
は80 類に属することとなる。)。
81.11 マンガン及びその製品(くずを含む。)
マンガンは、軟マンガン鉱、褐マンガン鉱、水マンガン鉱の還元精錬又は電気分解により抽出
される。
金属は、それ自体、灰色がかったピンク色で、硬く、かつ、もろい。マンガン単独で使用され
ることはまれである。
しかしながら、マンガンは、スピーゲル、フェロマンガン、シリコマンガン、ある種の合金鋳
鉄又は合金鋼の構成成分として使用される。これらの物品は、通常72 類に属する。ただし、フェ
ロマンガン及びシリコマンガンは、鉄の含有量が非常に少ない場合には、この項に属する(72 類
の注1(c)参照)。マンガンは、また、銅、ニッケル、アルミニウム等と合金を作る。
81.12 ベリリウム、クロム、ハフニウム、レニウム、タリウム、カドミウム、ゲルマニウム、バ
ナジウム、ガリウム、インジウム及びニオブ(くずを含む。)並びにこれらの製品(くず
を含む。)
-ベリリウム
8112.12--塊及び粉
8112.13--くず
8112.19--その他のもの
-クロム
8112.21--塊及び粉
8112.22--くず
8112.29--その他のもの
-ハフニウム
8112.31--塊、くず及び粉
8112.39--その他のもの
-レニウム
81 類
10
8112.41--塊、くず及び粉
8112.49--その他のもの
-タリウム
8112.51--塊及び粉
8112.52--くず
8112.59--その他のもの
-カドミウム
8112.61--塊及び粉
8112.69--その他のもの
-その他のもの
8112.92--塊、くず及び粉
8112.99--その他のもの
(A)ベリリウム
ベリリウムは、ほとんど例外なく緑柱石(アルミニウムとベリリウムとのけい酸複塩)から得
られる。なお緑柱石は、貴石(例えば、エメラルド)の形状のもの(71 類)を除き、26.17 項に
属する。
この金属の主な商業上の抽出法は次のとおりである。
(1)オキシふっ化ベリリウム(鉱石から製造したもの)とバリウムその他のふっ化物との混合
物を高温下で電解する。黒鉛製るつぼを陽極として使用し、水冷した鉄製陰極の上に金属を
析出させる。
(2)ふっ化ベリリウムをマグネシウムを使用して還元する。
*
* *
ベリリウムは、鋼灰色を呈し、非常に軽く、また硬いが非常にもろい。特殊な条件のもとでの
み圧延又は引抜きが可能である。
*
* *
合金でないベリリウムは、X線管用の窓の製造、原子炉の構成材料、航空機及び宇宙産業、兵
器産業、サイクロトロン用のターゲット、ネオンサイン等の電極又は冶(や)金の脱酸剤等に使
用される。
ベリリウムは、また、多くの合金用に供される。例えば、鉄鋼(ばね鋼等)、銅合金(例えば、
ベリリウム銅として知られたもので、ばね、時計部分品、工具等に使用される。)、ニッケル合金
の製造に使用する。ただし、これらの合金は、ベリリウムの含有量が非常に少量であるので、そ
れぞれ72 類、74 類又は75 類に属する。
この項には、あらゆる形状のベリリウム、すなわち、ブロック、ペレット及びキューブ等の塊
並びに棒、線及びシート等の物品並びに製品を含む。ただし、機械類の部分品、機器の部品等の
ような明らかに特定の製品に作り上げた物品は含まない(特に、85 類及び90 類参照)。
81 類
11
(B)クロム
クロムは、主としてクロマイト(クロム鉄鉱)から抽出される。三二酸化物に変えたクロム鉄
鉱を還元してクロム金属が得られる。
クロムは研磨してない状態では、鋼灰色を呈するが、研磨すると白色で、光輝を呈する。
非常に硬く、耐食性を有するが、可鍛性及び延性はない。純粋なクロムは、他の金属の各種の
物品の被覆物(電気クロムめっき)となる。クロムの主要な用途は、通常、フェロクロム(72 類
参照)として、ステンレス鋼の調製品である。ただし、ほとんどの合金(例えば、ニッケル又は
コバルトとの合金)は、15 部の注5の規定によりこの項には属しない。
クロムをもととしたある種の合金は、ジェットエンジン、電熱器具の保護用チューブに使用さ
れる。
(C)ゲルマニウム
ゲルマニウムは、亜鉛製造の際に生ずる残留物、ゲルマナイト(銅ゲルマニウム硫化物)又は
ガス製造工場煙じんから抽出される。
灰白色の金属で、ある種の特殊な電子イオン特性を有する。そのため、ダイオード、トランジ
スター、電子管等の電子部品の製造に使用される。これは、また、すず、アルミニウム又は金と
の合金に使用される。
(D)バナジウム
バナジウムは、主としてパトロナイト又はカルノタイトから、通常、酸化物の還元により抽出
され、また、鉄、ラジウム又はウラニウム製造の際に生じる残留物から抽出される。金属自体と
しては僅かな用途しかないが、通常、フェロバチジウム(72 類)又は銅バナジウムマスターアロ
イ(74 類)として製造され、鋼、銅、アルミニウム等との合金に使用される。
(E)ガリウム
ガリウムは、アルミニウム、亜鉛、銅又はゲルマニウムの精錬の際の副産物として又はガス製
造工場の煙道ダストから得られる。
これは軟らかく、灰白色で、温度約30 度で溶融し、高沸点を有する。このように、広範囲の温
度にわたって液状にあるため、温度計、蒸気アーク燈において水銀の代用として使用される。ま
た、歯科用合金、特殊な鏡の裏張り材として使用される。
(F)ハフニウム
ハフニウムは、ジルコニウムと同じ鉱石(ジルコン等)から抽出され、ジルコニウムと非常に
類似した特性を有する。熱中性子の吸収率が非常に高いので、原子炉のコントロール用又はモニ
ター用のロッドの製造に供される。
(G)インジウム
81 類
12
インジウムは、亜鉛精錬の残留物から抽出される。
インジウムは、軟らかい、銀色の金属で耐食性を有する。
従ってこれは、単独で又は亜鉛等とともに他の金属の被覆に使用される。ビスマス、鉛又はす
ずとの合金(外科用の型をとるのに使用される合金)銅又は鉛との合金(軸受用合金)又は金と
の合金(身辺用細貨類、歯科用合金等に)に使用される。
(H)ニオブ
ニオブは、ニオブ鉱及びタンタル鉱を処理しふっ化ニオブ酸カリウムを得、これから電解その
他の方法により抽出する。
銀色がかった灰色の金属で、ゲッター(ラジオ用真空管において最後まで残っている微量のガ
スを除去するためのもの)の製造に使用する。
ニオブ及びそのフェロアロイ(72 類)は、また、綱その他の合金の製造に使用される。
(IJ)レニウム
レニウムは、モリブデン、銅等の精錬の副産物として得られる。
現在、あまり使用されていないが、めっき用又は触媒としての用途が得られている。
(K)タリウム
タリウムは、硫化鉄鉱その他の鉱石の処理の際に生ずる残留物から抽出される。軟らかい金属
で、鉛に類似した灰白色を呈する。
これは、溶融点、強度、耐食性等を向上させるため鉛と合金に、また、曇りを防止するため銀
と合金にされる。
(L)カドミウム
カドミウムは、主として亜鉛、銅又は鉛の精錬の際に生ずる残留物から蒸留又は電解により得
られる。
外観上は亜鉛に類似するが、亜鉛よりも軟らかい。
主として、他の金属の被覆(噴霧又は電気めっきによる。)、銅、銀、ニッケル等の製造の際の
脱酸剤として使用される。
また、熱中性子の吸収率が高いので、原子炉の制御棒又はモニター用のロッドの製造に供され
る。
15 部の注5の規定によりこの項に該当する主なカドミウム合金としては、カドミウム・亜鉛合
金(耐食性溶融めっき、はんだ付け及びろう付けに使用される。)がある。
ただし、同じ金属を含有するその他の合金(例えば、ある種の軸受用合金)はこの項から除か
れる。
81.13 サーメット及びその製品(くずを含む。)
81 類
13
サーメットは、セラミック成分(耐熱性で溶融点が高い)と金属成分の両者を含有している。
これらの物品の製造方法並びに物理的性質及び科学的性質は、セラミック成分(ceramic
constituent)及び金属成分(metallic constituent)の両者に関係している。ここからサーメッ
ト(cermet)の名称が生じた。
セラミック成分は、通常、酸化物、炭化物、ほう化物等から成る。
金属成分は、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロム、コバルト等の金属から成る。
サーメットは焼結、分散その他の方法で製造される。
主要なサーメットは、次の物品から得られる。
(1)金属と酸化物:例えば、鉄と酸化マグネシウム、ニッケルと酸化マグネシウム、クロムと
酸化アルミニウム、アルミニウムと酸化アルミニウム
(2)ほう化ジルコニウム又はほう化クロム:これらの物品はボロライト(borolite)として知
られている。
(3)ジルコニウム、クロム、タングステン等の炭化物にコバルト、ニッケル又はニオブを混合
したもの
(4)炭化ほう素とアルミニウム:ボーラルサーメットとして知られているアルミニウムクラッ
ド物品
この項には、サーメットを含む(塊であるか又は製品の形状であるかを問わないものとし、こ
の表の他の項に該当しないものに限る。)。
サーメットは航空機産業、原子力工業及びミサイルに使用される。これらは、また、炉及び金
属の鋳造に(例えば、つぼ、注口、管として)使用するほか、軸受、ブレーキのライニング等の
製造に使用される。
この項には、次の物品を含まない。
(a)核分裂性又は放射性の物質を含有するサーメット(28.44)
(b)焼結して凝結した金属炭化物をもととしたサーメット製の工具用の板、棒、チップその他
のこれらに類する物品(82.09)