Tin Slag
説明
形状及び生成過程
本品は、2~30kgの不規則塊状のものであって、その表面はパーム油でおおわれ黄色味を呈している。その生成過程は鉄板等の溶融すずめっき工程において、鉄分が溶融すず中に拡散し、金属間化合物となってめっき槽の底部に析出したものをくみ取って得られたものである。くみ取りに際して中間層のすず及び溶融すずを被覆して塩化亜鉛、パーム油が部分的に混入されている。分析値
揮発分 10.5 %
すず 75.44%(うち酸化すずは4%以下)
鉄 5.1 %
残さ SiO、MgO、CaO、AlO、etc.
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溶融すずめっきの操業温度(250~350℃)におけるすずと鉄との化合物は理論的にはFeSn
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(81%Sn、19%Fe)であるが、本品について行なった分析内容からみて遊離状のすず及び残さ成分からみて保管又は運送中に異物の混入があったものと推察される。
同種の物品について国内のものと比較すると、F社では8~93%Snで精錬所へ送られ、K社のものは約90%Sn、6%Feを含んでおり再生原料として市中に販売されている。
用途
本品の用途は、そのまま地金としては使用されず、すず精鉱と共に反射炉に投入され或は精製炉で鉄分を溶離する方法によって精製すず又は再生すずとなる模様である。
本品については、その品質及び用途から本号に属する。