Kelzan Gum
説明
本品は淡かっ色の粉末で、無味、水に溶解して安定性の大きい粘ちゅうな溶液をつくる。成分としては輸入者側より提供された資料によると、単に「発酵(fermentation)によって得られた高分子多糖類ガム」とあり、税関分析の結果では、そのほとんど大部分を占める酸性多糖類は構成要素としてピルビン酸、グルクロン酸、マンノース、グルコースを含む特殊なものであることが判明した。
他方、文献によると、植物病源体として知られるXanthomonas属の細菌がグルコースを含有する培養液中に生成する粘質物はピルビン酸を構成要素にもつ多糖類であることが判明している。用途は、その溶液の粘性又はシキソトロピック(thixotropic)な性質を利用して、ペイント、陶器のゆう薬の増粘剤、沈降防止剤、織物仕上用粘剤等がある。
本品は細菌が培養液中に生成する一種の菌体外生産多糖類であるが、同じく細菌類であるLeuconostoc SPP.によってしょ糖含有培養液中に生成される粘質多糖類のデキストラン(一種のグルカンで、分子量を調製したものは血しょう増量剤としての用途がある。)に第3913.90号が適用されているところから「その他の高重合体」として本号に属する。