国内分類例規

シノン(商標名)織物

HSコード
説明
本品を構成する繊維は、天然たんぱく質(ミルクカゼイン)とアクリロニトリルを溶液状態において結合した高分子物質を湿式法で紡糸した長繊維である。天然たんぱく質とアクリロニトリルとの結合様式は、製造者の資料によると、天然たんぱく質を構成しているアミノ酸のうち、チロシン、アルギニン、リシン、ヒスチジン、トリプトファン、シスチン等の部分に末端基として存在しているフェノール性水酸基、アミノ基、メルカプト基、グアジニノ基等にポリアクリロニトリルをグラフト重合させたものであり、両者の構成比は、重量割合で天然たんぱく質部分30%、ポリアクリロニトリル部分70%と推定されている。繊維の構造上、結晶部分はポリアクリロニトリルで構成され、非結晶部分は天然たんぱく質とポリアクリロニトリルとから構成されており、結晶部分は繊維に対し強度、伸び等の機械的特性を附与し、非結晶部分は繊維に光沢性、ドレープ等の官能的特性及び染色性を附与している。 第54類の注1(a)によれば関税率表上合成繊維として取り扱われる物品は、有機単量体の重合により製造した繊維に限られる。 本品を構成しているシノン繊維は、天然有機重合体であるたんぱく質と有機単量体(アクリロニトリノル)の重合物であるポリアクリロニトリルとのグラフト重合により製造した繊維であるので、本品は上記の合成繊維には該当せず、第54類の注1(b)に規定する天然有機重合体を化学的に変化した繊維に該当する。 したがって、本品は、合成繊維以外の人造繊維(再生繊維及び半合成繊維)の長繊維織物として本号に分類する。
出典
税関Webサイト 国内分類例規
https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/data2/54rd.pdf
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