第71類 国内分類例規

出典:税関Webサイト 関税率表解説・分類例規を元に作成
71 類 71 類 1.棒、形材、板、シート及びストリップの定義 この類において「棒」、「形材」、「板」、「シート」及び「ストリップ」とは、第15 部の注9(a)、 (b)又は(d)に規定する棒、形材、板、シート及びストリップをいう。 71.04 項 1.キュービックジルコニア(CUBIC ZIRCONIA)の分類について (商品説明) キュービックジルコニアは、スカルメルティング法で作られた等軸晶系(CUBIC SYSTEM)の 合成石の総称である。主成分は酸化ジルコニウム(ZrO2)であり、常温での結晶構造を等軸品 系に保つために酸化イットリウム(Y2O3)又は酸化カルシウム(CaO)が加えられている。 本品は通常無色透明であるが、製造工程中に金属酸化物又は希土類金属酸化物を添加するこ とにより着色することもできる。本品の輸入の際の形状には単結晶のもの及びこれをカットし たものがある。これらは加工されて装飾用ダイヤモンドの代用品として使用される。 本品は等軸品系に属し、硬度7.5~8.5、比重約6、屈折率2.15~2.18(複屈折なし)、分散 度0.060 である。このうち、宝石としての特性を与えるのに必要な物理的性質である硬度、屈 折率及び分散度はダイヤモンドに相対的に類似している。 現在までのところでは、本品は装飾用ダイヤモンドの代用品としては最もすぐれた物理的特 性を有する合成宝石とみなされ、ダイヤモンドとの識別が困難であるといわれている。 商品名としては、「フィアナイト(Phianite)」、「ジェバライト(Djevalite)」、「ダイヤモン エスクェ(Diamonesque)」がある。 (分類理由) 本品と同じ組成及び構造を有する天然石は存在しないが、本品は(ⅰ)鑑別が困難なほど物 理的特性がダイヤモンドに類似し、(ⅱ)装飾目的で使用され、(ⅲ)更に、商慣行上及び文献 上でも合成貴石として十分取扱われている。 したがって本品は第71.04 項に分類する。
71 類 71.04 項 2.Cultured quartz crystal 本品は、高温かつ高圧に耐えられる鉄鋼製の筒の中にアルカリ溶液を入れ、その液中の上部に は良質の種子水晶をつるし、下部にはくず水晶を置き、筒内の温度を約400 度に圧力を数百気圧 に保つと、アルカリ溶液中に溶解した水晶成分(無水けい酸、分子式SiO2)は、筒内の上下の温 度差のため過飽和の状態となり、種子水晶の結晶軸に従ってこれらに再結晶して附着することに より製造されたものである。その諸特性は天然のものと殆ど同一であり、また電子工学的及び光 学的にみれば、天然のものより優れた点が多い。用途は水晶発振器の製造等専ら工業用である。 本品は、再生の水晶として本項に分類する。 71.04 項 3.Strontium titanate のブール(boule) 本品は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)のブール(boule)状のものでfabulite 又はStarilian とも呼ばれ、合成スピネル、合成サファイヤ等と同じく、ベルヌーイ法により製造された単結晶 の合成石である。カットして装飾用ダイヤモンドの代用品として使用される。 高熱炉から取り出したままの状態では青黒色であるが、酸素気流中で加熱することにより無色 透明になる。 本品は、立方晶体(格子定数3.9051 オングストローム)に属し、硬度6、屈折率2.41(複屈 折なし)、比重5.13、分散能0.19 である。 関税率表解説第71.04 項に合成貴石は「通常天然石と同じ組成を有し、化学的方法で得られる。」 と説明されているが、本品の組成は、SrTiO3 であり、本品と同じ組成を有する天然石は未だ発見 されていない。 しかしながら、本品は、解説の同項に掲げられている合成スピネル、合成サフャイヤ等と同じ く、ベルヌーイ法により高温から徐冷して製造した単結晶であり、貴石としての特性が合成スピ ネル、合成サファイヤ等よりすぐれていること、用途、商取引上及び文献上も合成貴石として取 り扱われていること等を考慮し、本品は合成貴石として本項に分類する。
71 類 7104.99 1.ブリリアントカットしたyttrium aluminum garnet 本品はアルミン酸イットリウム(通称yttrium aluminum garnet 以下「YAG」という。)の単結 晶をブリリアントカットしたものでDiamonair 等と呼ばれている。YAG の単結晶は、酸化イット リウム(Y2O3)と酸化アルミニウム(Al2O3)の融解液中にYAG の結晶核を入れ、この核にゆっく りした回転を与え徐々に結晶を成長させながら引き上げるいわゆる“引き上げ法”により作られ る。その組成はY3Al2(AlO4)3(又はY3Al5O12)で示され、マンガンざくろ石(MN3Al2(SiO4)3 又は Mn3Al2Si3O12)のマンガン(Mn)がイットリウム(Y)で、また、けい素(Si)がアルミニウム(Al) で置換された組成のものと考えることができる。純粋なYAG は無色透明であるが、これに少量の 金属酸化物を含有させると各種の色彩を呈する。その結晶構造は天然ガーネットと同じガーネッ ト型構造であり、物理的性質も次に示すとおり天然ガーネットに類似している。 YAG 天然ガーネット 結 晶 系 等軸晶系 等軸晶系 組成(一般式) Y・Al(AlO4)2 A3・B2(SiO4)3 * 屈 折 率 1.833 1.71~1.83 硬 度 8.5 6.5~7.5 比 重 4.55 3.5~4.2 分 散 能 0.028 0.022~0.057 *A は、Fe、Mn、Mg、Ca 等の2価の金属を示す。 B は、N、Fe、Cr、Ti 等の3価の金属を示す。 YAG のうち、無色透明のものは装飾用ダイヤモンドの代用品として使用されており、少量のネ オジムを含有する淡青色のものはレーザー光線発生用に使用されている。 関税率表解説第71.04 項の説明文に合成貴石は「前の2項の天然の貴石又は半貴石と同じ目的 に使用される。」、「通常天然石と同じ組成を有し、化学的方法で得られる。」と記載されている。 また、同解説第71 類末尾の一覧表(第71.03 項に該当する貴石又は半貴石)にはガーネットが貴 石の例示として掲げられている。YAG は天然ガーネットと同じ組成を有するものではないが、そ の構造がガーネット型であることから鉱物学上合成ガーネットとして認められている。 合成ガーネットにはYAG のほかにYiG(Y3Fe2(FeO4)3)、Gd3Al2(AlO4)3等種々のものがあるが、そ の性状がダイヤモンドに類似した合成貴石として身辺用品又は装飾品を作るために使用されてい るのは現在YAG のみである。さらにYAG は商取引、文献上も合成貴石として取り扱われている。 以上のことからブリリアントカットしたYAG は本号に分類する。