堆朱のシガレットボックス
説明
本品は、縦7センチメートル、横10.5センチメートル、高さ43センチメートルのシガレットボックスである。本品は、木製の箱の内面に黒漆を薄く塗り、外面に堆朱の技法により、朱漆を厚く(約3ミリメートル程度)塗り重ね、その漆の層に彫刻(深さ約1ミリメートル程度)を施したものである。
本品は、木材で箱の基体が作られているが、本品の外表面に施された堆朱の技法は木製品に通常施される表面加工の域を超えており、堆朱の部分が本品に重要な特性を与えていると認められる。
堆朱の部分を構成する朱漆は、ウルシオールの空気中における酸化により固化したものであり、第39類の高重合体等には該当しない。
したがって、本品は、他の項に該当しない彫刻品として第9602.00号に属する。